
手元に2009年度版の新潮文庫の100冊小冊子があります。夏休みに本屋さんでもらってきました。
知らない人もいると思いますが、歴代の100冊の情報ページがあります。30年前の100冊と今年の100冊を比べてみるのもなかなかに面白いです。1976年に始まったようですが、1980年までは基本的に1作家1冊の路線で選んでいたようです。81年から大御所は2冊まで選ばれるようになり、その後1作家最大4冊まで選ばれる年もあったけれど、現在はまた1作家2冊までという傾向にあるようです。その辺りの変遷を辿るだけでも興味深いです。そうでもないですか?
おいらは本を読むのが好きになった年齢が比較的遅かったので、読む作家の範囲が非常に限られているのですが、好きになった作家には執着して読む傾向があります。もっと小さい頃に読書家になっていれば、もっと幅広い本を読むようになっていたのかも知れません。
その昔、本を読まなければいけなかった中学・高校時代は、ほとんど全く本を読まないというか、読めなかったので、夏休みの「課題図書からの作文」みたいな宿題はきちんとこなした記憶がありません。逆に、「黒い雨」の作文の宿題では、解説ページの要約をして提出した記憶があります。本文はどうしても読みきれなかったのです。
それが、大学生になる前、美術研究所に通う浪人時代にアンデルセンの童話を読むようになってから、急に読書家になり、大学生の頃にヘッセや阿部公房に傾倒するようになりました。今まで熱中して読んだ作家には、赤瀬川源平、ドストエフスキー、カフカ、三島由紀夫、夏目漱石、大江健三郎とかがいますが、近年は塩野七生、内田百閒を何度も読み返しています。
新潮文庫の100冊では、赤瀬川源平や内田百閒は選ばれることはありませんが、もし塩野七生の「ローマ人の物語」文庫版が選ばれたりしたら、1作品で37冊にもなってしまうので、他の作家が63人しか選べないことになってしまいます。実際は、複数巻ある作品は1冊とみなされるようで、常連のドストエフスキー「罪と罰」は、上・下巻で1冊扱いです。どうせ複数巻でもOKなら、たまには「カマラーゾフの兄弟」も選んでよさそうなものだけれど。
この新潮の100冊が避けては通れない道だとしたら、日本人なら誰でも「こころ」、「坊ちゃん」、「車輪の下」、「羅生門」、「砂の女」、「罪と罰」あたりは読んだことになっているはずですが、どうでしょう?
