
「ニッポイタリアーノ講座」そんな講座があったのか?と、思い出せない読者の人もいるかもしれません。何しろ筆者が思い出せなかったくらいだから。
さて、思い出したので、今回は新たにニッポイタリアーノの用法紹介をします。
「プレノたる」という表現があります。イタリア語で予約することをプレノターレというので、ここで「プレノたる」とは予約することを意味します。「日曜日のアグリはもうプレノたってるから大丈夫」という感じで使います。ちなみに、アグリとはイタリアのアグリトゥーリズモという経営方式のリストランテのことです。町から離れた片田舎で、農園や牧場のような施設も平行して運営していて、そこのアグリ自家製のチーズやサラミが食べられる自然派のリストランテです。宿泊施設もある所が多いようです。週末にこういうところに出掛け、のんびりすることをアグると表現する向きもあるようです。例えば「週末にはいつものところをプレノたってるから、のんびりアグって来るよ」となります。
イタリア語でおしゃべりな人のことを「キャッケローネ」または「キャッケローナ」と言います。前者が男性で後者が女性に対応しています。この言葉をニッポイタリアーノでは「おしゃべろーね」または「おしゃべろーな」と表現します。「それにしても彼女はおしゃべろーなだから、電話をしたら延々と終わらないんだよ」とか「今朝は駅でおしゃべろーねの彼にばったり会ったものだから、電車を3本も乗りそびれてしまって遅れちゃったよ」とか、ごく自然に会話の中に使用できます。
ところで、一般的におしゃべりというか、人と会話をするのが好きなイタリア人なので、その中でもおしゃべりと指摘される人はかなりおしゃべりです。そんな中、更にすごいおしゃべりと分類されるイタリア人の友人がいて、この人はちょっと日本人の想像力では追い付かないほどよくしゃべります。おいらは一緒に食事をした後、別れ際のおしゃべりのはずの会話が1時間以上も続き、弱ってしまったことがあります。そういう時にうまいこと話を終了させるうまい表現があります。これはニッポイタリアーノではありませんが、イタリア語の非常に簡単な表現ですが、「ベーネ」と言うのです。直訳すると「良い」という言葉だけれど、これはなかなかに便利な言葉で、ニュアンスとしては「それじゃあ、そろそろこの辺りで終わりにしようか」みたいな意味合いを持たせ、長くなった話のしっぽを捕まえるときに使います。コツはちょっと間を置いてから「・・・ベーネ」と言うのです。そうすると、対外相手も話につじつまを付けて「まあ、そういうことなんだよ、それじゃあまた近いうちに会えるといいね」なんて感じで、話の終わりがやって来ます。これは仕事でも会議を切り上げる時に使ったりするテクニックなので、覚えておくと便利です。
更に、もし日本人の友人の家に食事に呼ばれていった時、ついつい長居をして、夜遅くになったころ、家の主が突然「ベーネ、ベーネ」と言い出した時は、「もう遅いよ、そろそろ帰ってくれないか」というメッセージのニッポイタリアーノかも知れません、気を付けましょう。
話が長くなったり、おじゃま先で必要以上に長居してしまったり、ちょうどいいところを通り越してしまうこと、またはちょうどバランスが良かったところに何かを付けたし、バランスを崩して台無しにしてしまうこと、中国語で蛇足と言われる表現をニッポイタリアーノでは「リッピする」といます。これは、前回のW杯でイタリアを優勝へ導き、国民的な英雄になっていたリッピ監督が、よせばいいのにまた代表監督に戻り、今回のW杯でイタリア代表を散々な成績で敗退させてしまったことから生まれた表現です。「もうその辺りにしといたら?あんまり欲張るとリッピしちゃうよ」とかの言い回しになります。カルチョ関連では、せっかっくのいい仕事が、ある馬鹿な行為ですべて台無しになることを「カッサナータ」と表現していましたが、近年では本人のカッサーノが馬鹿な行為をしなくなってしまったので、この言葉はあまり使われなくなりました。
さて、今回はここまで。

ここをクリックしてランキング応援よろしくお願いします。